このページでは、️旧ジャニーズ事務所の会見について、郷原信郎氏が批判した理由や会見に同席していた木目田弁護士の対応などについてまとめています。
目次
郷原信郎氏が旧ジャニーズの会見において危機管理対応を批判?
2023年、旧ジャニーズ事務所(現・スマイルアップ)創業者のジャニー喜多川氏による、所属タレントへの性加害問題が明るみとなり、世間に衝撃が走りました。
報道を受け、旧ジャニーズ事務所は同年9月7日、10月2日の2回にわたり、記者会見を実施。
1回目の記者会見には、当時社長であった藤島ジュリー景子氏、所属タレントである東山紀之と井ノ原 快彦、弁護士の木目田裕氏が出席。2回目の会見では、東山紀之と井ノ原 快彦、弁護士の木目田裕氏、山田将之氏が出席しました。
この記者会見の内容に対し、元検察官であり、弁護士である郷原信郎氏が危機管理対応の在り方について、yahoo!ニュースにコンプライアンスの専門家として寄稿しています。
郷原信郎(ごうはらのぶお)氏のプロフィール
郷原信郎氏とはどのような人物なのか、経歴などを調べてみました。
1955年:島根県松江市生まれ
1977年:東京大学理学部卒業
1983年:検事任官
公正取引委員会事務局審査部付検事、東京地検検事、広島地検特別刑事部長、法務省法務総合研究所研究官、長崎地検次席検事、東京地検検事(八王子支部副部長)(2003年から桐蔭横浜大学大学院特任教授を兼任)
2004年:法務省法務総合研究所総括研究官兼教官
2005年:桐蔭横浜大学法科大学院教授(派遣検事)、コンプライアンス研究センター長
2006年:検事退官
引き続き、桐蔭横浜大学法科大学院教授・コンプライアンス研究センター長
2008年:郷原総合法律事務所 開設
2009年:名城大学教授・コンプライアンス研究センター長
2009年:総務省顧問・コンプライアンス室長
2012年:関西大学特任教授
事務所名を「郷原総合コンプライアンス法律事務所」に変更
2014年:関西大学客員教授(~2016年3月)
元検察官であり弁護士、そしてコンプライアンスの専門家として独自の視点を持つ郷原氏の発言や意見は、世間の注目を集めることも多いようです。
郷原信郎氏が指摘・批判する記者会見の問題点とは?
旧ジャニーズ事務所は2回目の記者会見において、1回目の会見では継続するとしていた社名を変更し、新会社を設立すること、そして、被害者への賠償を終えたら廃業することなどを発表しました。
しかし、この会見は「大荒れ」となり、世間からバッシングされる結果に。
その理由については、郷原信郎氏がyahoo!ニュースに寄稿した記事からもわかります。
会見は、質問者の指名をめぐって大荒れとなった。そして、翌日のNHKの報道で、特定の記者を指名しないようにする「NGリスト」が作成されていたことが明らかになり記者会見での対応自体が大きな批判を浴び、それ自体が一つの「不祥事」となった。
引用元https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/997178f114599a30dcd38203b77395b293d9aeb9
郷原氏が指摘するとおり、会見中に質問できる記者が前もって決まっていたのではないかということに批判が集まったのです。
これは、旧ジャニーズ事務所側がマスコミに聞かれたくないこと、マイナスイメージとなる質問を避けていたと捉えられても仕方がないといえるかもしれません。
そしてもう1つ、郷原氏は以下のような見解を出しています。
最近、企業の不祥事対応で、大手法律事務所の弁護士チームが危機対応に関わることが多くなったが、今回の記者会見には、東山紀之社長、井ノ原快彦副社長とともに、木目田裕弁護士らが会見者として登壇し、記者の質問に答えるなど前面に出て対応した。その記者会見という危機対応の場で新たな不祥事が発生したことは、企業の危機対応への弁護士の関与の在り方が問われる事態だと言えよう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/997178f114599a30dcd38203b77395b293d9aeb9
記者会見において、ジャニー氏による性加害問題という国際的にも大きな批判を受けている不祥事企業として、説明責任を果たそうとする姿勢が欠けていたと批判されていることである。木目田弁護士は、2回の会見に同席して記者に説明するなどし、そのような方針や、記者会見対応に法的・コンプライアンス的に問題がないことにお墨付きを与えた形になった。
これらの点について、企業不祥事の危機対応に関わる弁護士の対応の在り方が問題となる。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/997178f114599a30dcd38203b77395b293d9aeb9
危機管理業務等の弁護士業務で発揮してきた木目田弁護士だが、本件の対応では、前社長のジュリー藤島氏の意向と利益に沿うことを優先したこと、それに対する批判をかわそうとする対応に終始したことが、結果的に危機対応の失敗を招いたように思える。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/997178f114599a30dcd38203b77395b293d9aeb9
木目田弁護士の会見への同席は、まさに、ジャニーズ事務所問題に「不祥事対応のエキスパート弁護士」として関わっていることをアピールするものと言える。
引用元:
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/caef92c41e4281a53932d076f47303e80e4412cc
このように、郷原氏は今回の会見に同席していた「木目田 裕(きめだ・ひろし)弁護士」について、批判的な意見を述べているのです。
木目田弁護士は、郷原氏と同じく東京大学出身であり、郷原氏が検事をしていた時の後輩とのこと。
木目田裕弁護士が書いたニューズレターの内容とは
2人がどのような関係性かは定かではありませんが、郷原氏からの批判を受けてか、所属する西村あさひ法律事務所のニューズレターにおいて木目田弁護士は以下のコメントを出しています。
誹謗中傷や個人攻撃に対する対策は、本当に難しいと思います。
私は弁護士として誹謗中傷への対応を企 業や個人にアドバイスしてきました。また、私自身も特定の人物から執拗な誹謗中傷や個人攻撃を受けてい ます。
社会では、そうした誹謗中傷や個人攻撃に晒された方が自死に追い込まれるなど、大変不幸な結果が現に 起きています。それにもかかわらず、誹謗中傷は止みません。
「特定の人物」による「誹謗中傷」と記載されていることから、郷原信郎弁護士の意見を受けて、過度な批判を行う人物がいるのではないかと推測できます。
木目田 裕(きめだ ひろし)弁護士とはどのような人物?
木目田 裕弁護士は、東京大学法学部卒。1993年に検事任官となり、東京地検特捜部検事、法務省、金融庁を経て、2002年に西村あさひ法律事務所に入所。
主要企業の不正調査を手掛けるなど、危機管理分野のパイオニアであり、実務を牽引してきた人物です。
日本経済新聞社による「活躍した弁護士ランキング」において2023年危機管理・不正対応分野 において第1位を受賞するなど、多くの実績と確かな実力を持つ人物です。
また、郷原信郎氏も同じく、2011年の危機管理部門において第1位を受賞するなど、弁護士、危機管理対策の専門家として、業界を牽引する人物です。
郷原氏は現在も重大事件の弁護人を務めるだけでなく、SNSやウェブメディアでの発信をしており、YouTubeのチャンネル登録者数は6万人、Xのフォロワーは120万人と、非常に影響力のある人物といえるでしょう。
今後もSNSを中心に情報の発信を続けていくと推測できます。
まとめ
旧ジャニーズ事務所における性加害問題は、現在も世間の関心をあつめています。
SNSが幅広い世代に浸透した昨今、顔が見えない相手からの誹謗中傷は社会問題となっています。そしてその誹謗中傷が要因で自ら命を絶ってしまうケースも少なくありません。
特に著名人や芸能人などの発言は、影響力が強く、その発言や批判が火種となって一般の方からの誹謗中傷が増加する可能性もあります。
誹謗中傷や個人攻撃は、誰もが標的となる可能性があります。
報道によりますと、本件でも、性被害の被害告発者を標的とする誹謗中傷まで発生しているとのことです。
立場は違えど、両弁護士は、被害者の方の救済やジャニーズ事務所問題の本質に向き合い、解決をしようとしていることに間違えありません。
批判的な意見がこういった方向に向けられたものである限り、その評価は私たちに委ねられるべきですが、ジャニーズ事務所や記者会見の参加者を好奇の目にさらしたり、いたずらに誹謗中傷することは、現に慎まなければならないように思われます。